上手なお酒との付き合い方のお話

~みなさまは、お酒とのお付き合い、どのようになさっていますか~

 適量のお酒は、楽しい気持ちをさらに増加させる効果や、緊張する気持ちを和らげ、人間関係を円滑にする効果があると言われています。

 しかしながら、お酒の飲み過ぎで、思いがけない失敗をご経験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 今回は、国のガイドライン等を踏まえ、「上手なお酒との付き合い方」について、いくつかご紹介します。

 

 飲酒は、1日1単位(純アルコールにして20g)が適量と言われています。

 具体的には、ビールは中ビン1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、焼酎0.6合(110ml)、ワイン1/4本(180ml)、チューハイ(7%)は350ml缶1本が目安になります。

 

 

【(純)アルコールの量の計算式】  

 お酒の量(ml)×〔アルコール度数(%)÷100〕×0.8

 例)ビール中ビン1本 500×〔5÷100〕×0.8

 

 ただし、一般的に女性は男性に比べるとアルコールの分解速度が遅く、体重当たり同量の飲酒をしても、女性は男性に比べて臓器の障害をおこしやすいことがわかっています。このため、女性の飲酒量は男性に比べて少なくすることが推奨されています。男性の1/2~2/3が適量です。例えば、1日350mlの缶ビール1本以下を目安にするとよいでしょう。       

 

 飲酒後に、顔が赤くなる「フラッシング反応」を起こす方は、アルコールの分解が遅く、がんや様々な臓器障害を起こしやすいことがわかっています。このような体質の方も、飲酒量を控えることが推奨されています。

 たとえ飲む回数が少ない方でも、一度に大量の飲酒をすると、からだの健康を害したり、事故を引き起こしたり、アルコール依存を進行させることにつながります。たまに飲んでも、大酒しないことが大切です。

 

 空腹時の飲酒で、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いや急性アルコール中毒を引き起こすことがあります。お食事と一緒に、ゆっくり味わってお酒を飲んでください。また、からだを守るために、アルコール濃度が高いお酒は、薄めてお飲みください。

 

 眠れないからと寝酒をすると、睡眠の質が低下します。アルコールの影響で、眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めることで、かえって睡眠不足につながることがあります。質の良い睡眠のために、寝る前3時間以内の飲酒は控えてください。

 

 また、週に2日は、肝臓をアルコールの影響から守るように、お酒を飲まない「休肝日」をつくることも大切です。できれば、2日間続けて「休肝日」の時間をつくることで、肝臓の機能回復が効果的になります。何よりもアルコールへの依存も予防することができます。

 

 お薬を飲んでおられる方は、治療中に飲酒をしない方が良い場合もあります。

 

 アルコールの影響で、お薬の効果を強めることも、弱めることもあります。 例えば、精神安定剤と一緒にアルコールを飲むと、精神安定剤の依存につながりやすく、アルコールの依存も早くなると言われています。

 

 飲酒後に、入浴や運動をすると、血圧の変動や不整脈を起こすことがあります。命に係わる場合もあり、大変危険です。 アルコールにより、運動機能にも影響が出たり、判断力が低下することもあります。入浴や運動、仕事をする前の飲酒は、控えるようにしてください。    

 

 妊娠中の飲酒は、お腹の中の胎児の発育を妨げることがあります。 また、産後の飲酒による影響で、授乳中の母乳にアルコールが入り、乳児の発育を妨げることもあります。妊娠中、授乳中は、飲酒を控えてください。    

 

 定期的に肝機能検査を受けることで、お酒を飲みすぎていないかチェックすることができます。飲酒後に、顔が赤くなる「フラッシング反応」を起こす方は、食道や大腸のがん検診もお受けください。

 

 いかがだったでしょうか。

 ご自身の生活をふりかえって、何か気になることがありましたら、是非ご参考になさってください。